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【Daily SNAILS】【立ち入り禁止】トイレなのに…?


芸術とは。

LB2年佐藤 悠だ。


芸術の変遷にはいくつもの転換点があると思うが、私が思うにマルセルデュシャンの「泉」がもたらした変化というものは非常に大きい。

デュシャンは展覧会に90度傾けたサイン入りの小便器を出品した。

1917年の事である。

しかし、誰でも出品料さえ払えば展示されるはずだったが、関係者はこれを受け取らなかった。

便器を芸術と認めなかったからだろうか。

おそらく違う。

その逆、この平凡な便器が芸術になり得ると気付いたからではないだろうか。

もし、この作品が展示されたら、どうなるか。

便器としての価値を失い、展示されるだけの物体。

人は様々な解釈を見い出すだろう。

そうしてこの便器は重要なメッセージを持った芸術となってしまう。

デュシャンはこの作品に何の思いも込めていないのに。

これは当時では受け入れ難いだろう。

作者が何も考えていないのにも関わらず、受け手側の解釈で芸術になってしまう。

そうすると芸術は形骸化する。

作者の意図無しで成立してしまうからだ。

「泉」を展示することは、それを認めることになり、展示できなかったのだ。


芸術はよく誤読される。

間違った解釈がつけられ、間違った理解がされる。

それに気づき一石を投じた。

これ以降、そのアイデアを芸術となす、コンセプチュアル・アートが発展していくわけだが、これに続いた芸術家はデュシャンの何の思いも込められていないとされる「泉」の奥底から隠された唯一の意図を拾い上げた。


芸術とは


物事を変える疑問はいつも簡潔で痛烈。


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